食品分析の意義は?ミネラルは体に必要なの?

スーパーなどで食料品を選ぶ際、何気なくパッケージの栄養成分表示を眺めたことがある方は多いのではないでしょうか。

2015年4月から施行された新たな食品表示法は加工品や添加物の栄養成分表示について強化される内容になっています。

その中で表示が任意とされている項目の1つがミネラルです。食品分析に基づいて表示される栄養素の1つ、ミネラルというのはどのようなものなのでしょうか?食品分析の意義と共に見てみましょう。

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ミネラルというのはどんなもの?

ミネラルは岩や土に含まれている無機質成分です。人間が生きていくのに不可欠な栄養素ということからいわゆる5大栄養成分の1つになっています。このミネラルは何種類もありますが、どれも人間の体内で作り出すことができません。

従って様々な食品を通して体に取り込むことが必要なのです。数あるミネラルの種類の中でもよく知られているのはカルシウムでしょう。カルシウムは骨を作るというイメージが一番でしょうが、その他にも筋肉や神経の伝達、心臓などがきちんと機能することにも役立っています。

小魚や乳製品の他にひじきやナッツ類にも含まれています。ミネラルの他の種類としてカリウムがあります。血圧や心筋収縮の調子を整える役割をしているので、疲労感が取れない時や高血圧の症状が出た時など、カリウム不足が原因であることがあります。

カリウムは海藻類やナッツ類、緑黄色野菜に含まれています。そして鉄分もミネラルの一種です。鉄は赤血球のヘモグロビンの主成分ですから貧血防止に大事な栄養素です。鉄は動物の内臓類や緑黄色野菜、海藻類の他、卵黄にも含まれています。

そして牛肉やカキ、ナッツ類などに含まれている亜鉛。他の栄養素に比べると必要量はとても少ないとはいえ、体内に含まれる様々な酵素の成分になっていると同時に味覚や嗅覚、聴覚、そして免疫力にも不可欠な大事な存在です。

数ある栄養素を継続してコツコツ摂っていくにはやはり様々な食品を食べることが有効であるというのは、ミネラル1つをとってみても納得できますね。

重要な決断時はミネラルを摂る!

実は食品から摂ったミネラルがいくつかの要因で体の糧になりづらいことがあるということも考慮に入れておくといいかもしれません。例えば日々のストレス。人はストレスを受けると体内のミネラルを急激に消費すると言われています。

そしてスナック菓子やファストフード、加工食品などを1食として食べた際には、こういった食品にはミネラルは殆ど含まれていないということも考慮に入れておくといいでしょう。

つまりその分他の2食でミネラルを摂る必要があるということです。

また、火山灰を多く含む日本の土壌はもともとミネラルの固有量が比較的少ないとも言われています。ミネラルは神経伝達にも重要な役割を果たしています。その為判断が鈍っているな、と感じた時もミネラル不足を疑ってみるといいでしょう。

何らかの決断をする必要が出てきた時にまずはナッツ類を食べると良いというのは、ミネラル分を摂って神経伝達の状態を良くしてから判断を下しましょうということなのです。

食品分析は誰がしているの?

食品のパッケージに表示してある栄養成分表は、全国に複数ある専門機関が法令等に基づいて分析しているものです。公的機関では工業試験場があります。各都道府県にある工業技術センターや産業科学技術センターといった名称の機関がそれにあたり、機関によって検査項目や料金等のシステムが異なります。

民間の検査機関は全国で約100機関ほどあります。そして企業が食品分析を依頼する先を決める際の参考になっているのが「厚生労働大臣登録食品検査機関」です。民間の検査機関は理化学的な検査を受けてこういった認可を受けたり、更には各種ISOの認証を取得するといった形で食品関連企業に対してその信頼性を証明しています。

こういった食品分析の機関は食品表示法などの変更など時代の変遷に対応したり、直接評判につながるクライアント、つまり企業の満足度や信頼度を高めて受注の可能性を広げるといった努力が不可欠といえるでしょう。きちんとした分析結果で企業から良い評判が広がればその機関の何よりのPRになりますね。

食品分析の表示は必要?

ところで何気なく目にすることがあるこの食品のパッケージに表示されている食品分析にはどのような意義があるのでしょうか?まず食品の栄養素について多少の知識がある購入者にとっては日々の栄養バランスを考える上で大変参考になりますね。

必ずしも細かいチェックをしていなくても、そういえばこの栄養素はしばらく意識していなかったかも、と気づいて考えながら購入するだけでも健康作りにプラスになっているはずです。実は企業の依頼により検査機関が行う「食品分析」という定義にはこのように一定の成分がどの程度含まれているかを調べることに加え、(どのような)微生物汚染があるのかを検査することも含まれています。

つまり食品の栄養面と衛生面に関わっていることになりますね。人の口に入る物ですから例えば残留農薬や種々の有害物質、放射線物質についても考慮する必要があります。またスーパーで売られている食品は実に様々な種類があり、国内で製造されているものだけではありません。

外国で製造され、日本に輸入された食品が販売されるためには日本が定めたルールや基準に沿ったものであるかどうかを確認する必要が出てきます。

その他にも役立つ食品分析

日常生活で食品に関して何らかのトラブルが発生することがあります。食品の味や状態についてのクレームや食中毒の問題などが起こった場合にも必要に応じて食品分析がされます。分析によって原因の解明を試みるわけです。

また分析されたデータが科学的な根拠となる為、消費期限や賞味期限を設定する際にも役立っています。こういった分析や分析によって得られたデータは、確かに様々な法律に沿うという義務的な面だけでなく、食品製造会社にとって販売促進の良い材料にもなります。

例えば健康志向の高い消費者が1つの食品についてたくさんのメーカーからどれを選ぼうかという場合に「塩分○○%カット」や「カルシウム増量」等々の表示が目安になることがあります。こういった食品の栄養面を強調する表示をする為には食品表示表に定められたルールに従う義務がある反面、企業は食品分析を行い数値の根拠を示すことで差別化を図ることができるのです。

任意項目のミネラル

多くの一般用加工食品や一般用添加物について栄養成分表示が義務化される中、ミネラルは任意項目として指定されています。栄養素についてこんな知識を知った上で表示を見てみるとまた面白い発見があるかもしれません。

買い物や食事の際にミネラルの重要性を少し思い出してみるだけでも、健康作りのちょっとした役に立つことは間違いないでしょう。